たけだ歯科院長コラム1・ 新型インフルと口腔ケア

2009年は新型インフルエンザが猛威をふるいました。
まだまだ予断は許さない状況ですが、このインフルエンザ、実は歯にも大きく関係があるのです。
 

新型インフルと口腔ケア

・・・さらに怖いのは、強毒性の「新・新型」インフルの出現だ。世界に蔓延している強毒性の鳥インフルエンザが突然変異して、人から人への感染能力を持つことだ。致死率が極めて高いウイルスの登場で、世界的大流行になったら、国内で64万人、全世界で1億~5億人が死亡するという試算さえある。
もしこれにタミフル耐性を持つウイルスが出現すれば、治療現場がパニックになるのは必至だろう。約500億円かけて備蓄していたタミフルも無駄になるわけだ。
 

これまで予防といえば「マスク、手洗い、うがい」と言われてきた。
しかし、一時は薬局からなくなるほどだったマスクの予防効果には専門家の間にも異論がある。
口腔内感染に詳しい鴨井久一・日本歯科大学名誉教授は言う。
 

「マスクやうがいよりも予防効果が高いのは口腔ケアです。歯科の分野ではよく知られていて、多くの実績があります」

たとえば、奈良県の介護施設で、歯科衛生士がブラッシング指導や舌みがきを実施したところ、インフルエンザ発症率が
例年の10分の1に激減した
という報告もある。
 

「口腔ケアが不十分だと、口腔内に繁殖した細菌が出す酵素で粘膜が弱くなり、インフルエンザウイルスが
 侵入しやすくなります。予防には口腔内細菌を減らすことが重要です。
 タミフルやワクチン任せではなく、安上がりな口腔ケアの重要性を周知させるべきです」
(鴨井名誉教授)

費用の割には不備が目立つインフルエンザ対策。
本格的流行期にさしかかった今、正すべき点は一刻も早く対策を講じることが肝要だ。
(以上、SAPIO 2009年10月14・21日号掲載より抜粋)


-タミフルは逆効果、副作用が恐ろしいワクチン、周知不徹底の予防策-
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